研 究 概 要 (Summary of Study)

研 究 題 (Subject for Study)

準剛体回転流を利用した精密な高処理量・多産物分級方式の理論的・実験的・数値的研究


研 究 目 的 (Objective of Study)

 

先端技術分野を支えるIC基板,ファインセラミックスなどの新素材では,近年,ユーザ・ニーズの高度化に伴ってその材料特性を高機能化するために,原料粉体の粒度調整,特に粒度の均一化とサブミクロン化,の要求が厳しくなっている.粉体の製造プロセスは,ブレイキングダウン・プロセス(機械的粉砕等)とビルディングアップ・プロセス(化学的合成等)に大別できるが,両者ともに程度の差こそあれ製造した粉体に粒度分布が生じるので,製品化の最後の工程に精密な微粉分級(粒度によって分ける)が不可欠である.このような背景のもとに種々の乾式(空気)及び湿式()分級機が開発されてきたが,上述の要求を十分に満たしているとはいいがたい.この要求を満たすためには,@分級場が完全な層流,A良好な粒子分散,B持続的に働く強力な分離力,C分級後の産物(ほぼ均一な粒子群)の混合阻止,の四条件が絶対に必要である.しかしながら,従来の乱れを伴う遠心分級方式では,強力な分離力が発生する高速回転場において完全な層流を実現することは原理的に不可能である.

Fig.1 Single-stage classification (continuous type)

 

そこで著者らは,いくら高速回転にしても原理的に乱れが発生しない準剛体回転流(@完全な層流)中で分級を行う新しい湿式遠心分級方式,単段(特許 第3542382)多段(特許出願中,特願2002-061141)の方式,を開発した.本分級方式はバッチ式はもとより連続式が可能で,ある.Fig. 1は連続式の単段分級(粗粉Coarseと細粉Fineの二産物を得る)での流れ構造,流線,粒子軌道を示す.準剛体回転流は,高速回転(角速度W*)する軸対称二重容器(ハウジングとコア)内に微量(流量Q*)の水を流すことにより生成され,ここに,湿式では使用可能な分散剤により良好に分散(A)された原料粉体(Feed, 粗粒子細粒子)を供給することにより精密微粉分級が達成される.本方式の性能は,従来の乱れを伴う遠心分級方式に比べ圧倒的に優位である.なぜならば,本方式の分級限界がブラウン拡散で決まるのに対し,従来方式では拡散係数が数桁大きい乱流拡散で決まるからである.

 

本方式は,B持続的に働く強力な分離力,C分級産物の混合阻止の条件も満たす.すなわち,まずコア側エクマン層kでの強いせん断流により粒子間距離が広がり,次のスチュワートソン層mでの高速回転流によりその距離がさらに広がって分級が達成される(B).そして,粗粉産物()は,ハウジング赤道の抽出口から速やかに捕集され,最下部から捕集される細粉産物()へは混入しない(C)

 

本研究の目的は,密度や粒度(粒径,形状)に相違のある粉体粒子群準剛体回転流で粒子に働く遠心力F流体抗力Fの差により極めて高精度で分ける湿式遠心分級方式を実用化するにあたって重要となる高効率化,特に高処理量化多産物化を,原料粉体の新たな供給法と分級産物の新たな捕集法の開発によって実現することである.本方式の特色である極めて高い精度は,準剛体回転流の生成条件から知られるように,単位時間当たりの処理量の犠牲の上に得られるもの(少処理量向き)であるので,本方式は高付加価値の粉体が対象となるが,本研究の高効率化によりその対象範囲をできるだけ広げることをめざす.

 

地球流体力学分野でよく知られている準剛体回転流を利用する分級方式は独創的な方式であるため、これに関する報告は見当たらない。しかし,分級という工学的な観点からではなく,回転流体または地球流体という流体力学的な観点からの準剛体回転流の研究は,いくつか報告されている.例えば,I. Proudman(1956)K. Stewartson(1957)は,微小な角速度差をもって高速回転する同心二重球間のすきまに生じるスチュワートソン層,エクマン層,内部領域,剛体回転領域から成る準剛体回転流の考察を行っている。また,G.J.F. Van Heijst(19811984)は,スチュワートソン層流れを考察し,速度分布や流量輸送を明らかにしている.このように準剛体回転流については知見が蓄積されてきているが,この流れの工学的な応用としての分級という観点からの研究は見当たらない.なお,準剛体回転流は線形理論解が得られる流れであるので,混相流で問題となる粒子の回転運動サフマン揚力,回転揚力などの理論的考察・検証を行うことができる.

科学研究費補助金による従来の研究経過・研究成果

(Results of Study supported by the Grant-in-Aid for Scientific Research of the Japan Ministry of Education, Science, Sports and Culture)

 

1.基盤研究C2 H78年度 準剛体回転成層流を利用した新方式分級の基礎研究230万円

Fig. 2 Double-stage classification (batch type)

  

本分級方式は他に例のない方式であるので,基本的なバッチ式単段分級に続いて,連続式単段分級(前述Fig. 1)を研究し,以下の主な成果を得た.

 

@ 前述のFig. 1でハウジング赤道部からの抽出が零の場合(バッチ式),コア円柱面の外側のエクマン層tt’内部領域j’剛体回転領域に変化するが,そこに粗粒子()を取り込むので,粗粒子は細粉産物には混入しない.

 

A ハウジング赤道部からの抽出流量をある限界値以下に抑えた連続式分級では,バッチ式と同等の高い分級精度が得られる.しかし,限界値をこえると,抽出流により細粒子()粗粉産物に混入するので,精度は低下する.

 

2.基盤研究C2 H910年度 新方式による高精度湿式サブミクロン分級の基礎研究 300万円

 

より高速回転できる単段分級装置を製作して実験を行うとともに,粒子の分散性について研究し,次の成果を得た.

 

B シリカの分級実験では,分級径が約1μmにおいて,従来の遠心力分級装置のトップレベルの高い精度を得た.

 

C エクマン層流れの線形理論解を用いて粒子運動方程式を解き,エクマン層での粒子軌道の理論解を導出した.

 

D 連続式分級に不可欠な連続式分散器として,軸流を伴う外円筒回転・内円筒静止の二重円筒型分散器を開発した.      

 

 

3.基盤研究C2 H1112年度  準剛体回転流における微粒子運動制御に関する研究 310万円

 

 

単段分級で高精度が得られるメカニズム分級性能に関する相似則(スケール則)について研究し,次の成果を得た.

 

E 高精度をもたらす要因は,コア側エクマン層 (前述のFig. 参照)への原料粉体の供給,そこでの強いせん断流れによる粒子分散,ハウジングからコアに向かう内部領域流れ()により細粒子をコア壁近傍にとどめようとする作用,並びにスチュワートソン層mでの高速回転流れによる粒子軌道分離の促進作用の相乗的な効果である.

 

F 粒子運動長さスケール速度スケール流れのそれらと同じで,長さスケールに対する分級径の比は,流体抗力Fdに対する遠心力Fcの比を特徴づける遠心効果パラメータの関数となる(スケール則)

 

 

4.基盤研究C2 H1415年度  準剛体回転流を利用した新方式多段分級の研究  410万円

  

広い粒度分布をもつ原料粉体(Feed)を粒度の揃った複数の粒子群に一度に分ける多段分級の基本となる二段分級(粗粉Coarse,中間粉Mediumと細粉Fineの三産物に分ける)を研究し,以下の主な成果を得た.

Fig. 3 Double-stage classification (continuous type)

 

 

G バッチ式二段分級(Fig. 2)は,幾何学的に相似な単段装置(Fig. 1で無抽出の場合)を回転軸方向に二段に重ね,段間の接続部Connectorに二段目入口の粒子分布を制御する給水を行うことによって実現できる.

 

 

H バッチ式二段分級の性能は,各段にFで得たスケール則を適用することによって予測できる.

 

科学研究費補助金以外による従来の研究経過・研究成果

(Results of Study supported by other

Research Grants-in-aid)

 

1.ホソカワ粉体工学振興財団 H13年度 準剛体回転流を用いた高精度の湿式多段分級方式80万円

 

遠心効果パラメータ(F参照)の増大が,より均一な粒度の産物をもたらすことを,分級実験及び数値シミュレーションを行って明らかにした.

 

 

.名古屋工業大学 大学研究活性化経費(一般研究) H15年度 準剛体回転流を用いた新方式分級の実用化のための高効率化に関する研究 200万円

 

 Fig. 2の二段目ハウジング赤道部から中間粉産物を連続抽出する半連続式二段分級においても高い分級精度が得られることを,分級実験を行って明らかにした.

現在の研究状況

(Present Situations of Study)

 

前述したように先端技術を支える新素材関連分野では,ミクロンからサブミクロン域での均一粒度の粒子の要望が強い.これに応えるためには,準剛体回転流を用いる精密な本分級方式を実用化する必要があるが,そのためには本方式を高効率化,特に多産物化 

及び高処理量化,することが不可欠である.

 

  

多産物化については,粗粉・中間粉・細粉の三産物を得る前述(Fig. 2)バッチ式二段分級が有力な方法(さらなる多段化による多産物化も可能)であるが,Fig. 3に示す連続式二段分級(三産物すべてを連続的に捕集する)の研究がこれまで未着手であった.現在,これまでの研究で用いてきた数値解析手法を拡張して数値計算を行っているところで,成功の見通しが得られた.

   

他方,高処理量化については,前述の単段(Fig. 1)(Fig. 2, 3)分級とも,高精度化(微細粒子の粗粉産物への混入阻止)のため各段の入口部で給水(原料粉体懸濁液流量の4)を行っているが,原料粉体の新たな供給法分級産物の新たな捕集法の開発による高精度化法(詳細は後述)を採用することにより給水をなくして処理量を5倍にできる見通しが,流れ及び粒子運動の予備的な数値解析により得られた

 

なお,本方式分級に関するこれまでの研究成果により,機械学会東海支部から発明賞(200238)粉体工学会から上滝論文賞(2003528)を得た.
 
今後の研究計画・方法 (Future Plan of Study)

   

 

連続式多段分級による多産物化並びに原料粉体の新たな供給法と分級産物の新たな捕集法による高処理量化について,以下に示す研究計画・方法にしたがって研究を進める予定である.なお,本研究では粒子が微小で粒子濃度が低い場合(質量濃度で数%以内)を対象としているので,理論及び数値解析においては粒子運動から流れ場への干渉,粒子間の干渉は無視でき,準剛体回転流の流れ解析の後に準剛体回転流中での粒子(単一粒子)運動解析を行うことができる.

 

 

1.連続式多段分級による多産物化

 

 

前述のFig. 3は,連続式多段分級の基本形となる連続式二段分級を示す.これは,前述のFig. 2バッチ式二段分級において,一段目の赤道部から粗粉産物,二段目の赤道部から中間粉産物をそれぞれ連続的に抽出(捕集)できるようにしたもので,これにより三産物すべてが連続的に捕集される高効率な分級方式となる.さらに段を重ねた三段分級以上による多産物化も可能である.このような連続式多段分級において高い精度を得るためのキーポイントは,段間の接続部での給水による次段入口部での粒子分布の制御,抽出流量の設定並びに分級機の壁形状の最適化である.給水による粒子分布の最適制御についてはバッチ式の研究の際に明らかにしたので,本研究では,抽出流量と壁形状の最適化を念頭において連続式二段分級装置を設計・製作し,分級実験を行って性能を評価し,この装置の設計法について考察する.

 

  

@ 予備的に行った流れ及び粒子運動の数値解析により明らかになった前述(Fig. 3)連続式二段分級(円柱・球形状)における分級径に関するスケール則に基づいて,与えられた原料粉体の条件(真密度,形状,粒径範囲等)並びに粗粉・中間粉・細粉の各産物の条件(粒径範囲,収率等)に対する装置の設計法について考察する.ここでのキーポイントは,各段の単段装置としての性能(部分分級効率等)から二段装置の性能を導くことである.これは,さらなる多段化分級において重要なポイントとなる.

 

   

A @の考察結果に基づいて,連続式二段分級装置を設計・製作する.

   

B 製作した装置において,可視化観察(アルゴンレーザを用いた誘起蛍光法)及びLDV測定を行って,安定な定常・軸対称の準剛体回転流が生成される流れ条件を検証する.

 

   

C 分級実験を行って性能を評価し,@の各産物の条件がもしも満足されていなければ,装置あるいは設計法の修正を行うとともに,さらにそれを確認するための分級実験,数値解析を行う.

   

   

D 以上の結果を総括して,円柱・球形状の連続式二段分級装置設計資料を得る.

 

   

2.原料粉体供給と分級産物捕集の新たな方法による高処理量化

   

これまでの分級方式(前述のFig. 1, 2, 3)では,すべて,各段の入口部に給水を行って粒子を各段のコア側エクマン層に供給する方法を採用していた.その理由は,もしも給水を行わなければ,粒子は各段のハウジング側エクマン層へも入り込み,その中の細粒子が粗粉産物へ混入して分級精度を悪化させるからである.すなわち,高精度化のために給水量の分の処理量を犠牲にしている.そこで,本研究では,分級場入口での給水をなくし原料粉体懸濁液のみを供給する方法を採用して処理量を5倍にする新たな分級方式について考察する.この方式の成否は,上述のように給水の役割が微細粒子の粗粉産物への混入阻止にあるので,給水に代わる有効な阻止法をいかに見出すかにかかっている.本方式では,原料粉体の供給と分級産物の捕集の新たな方法を採用し,その有効性について考察する.

   

E 分級機の壁形状をデカルト座標系で容易に計算可能な円板・円柱形状として,予備的に行った新たな分級方式の数値解析結果は次のとおりである.Fig. 4(a)の分級機(CRHRは一体回転するそれぞれコア,ハウジング)は,Fig. 1の連続式単段分級機のコアを二つに分け,その間(O)から原料粉体(Feed)懸濁液を供給し,細粉(Fine)産物F1F2粗粉(Coarse)産物Cからそれぞれ捕集する新たなFOF-MCM型分級機である(回転軸zに近い左側の上からFOF,遠い右側の上からMCMの位置関係にあるので,こう呼ぶ.以下同様).ここでは,Oの流路中央部を通過する微細粒子が粗粉産物Cへ混入する前に,微細粒子をM1M2(中間粉(Medium)産物)で捕集することによって粗粉産物への混入を阻止することをねらっている(当然,微細粒子を含む中間粉産物M1M2は分級製品とはならない).この分級機では,Fig. 4(b)の流線図から知られるように,準剛体回転流が,各円板壁面近傍に生じるエクマン層,各円柱壁面の近傍とその延長線上に生じるスチュワートソン層,分級場の出入口近傍に生じるスチュワートソン層並びにこれらの境界層・せん断層の間に生じる内部領域からなる.Fig. 4(c)は,分級場入口Oに等間隔においた10個の等し

Fig.4 FOF-MCM type (a) Schematic Fig.4(b) Streamlines Fig.4(c) Particle trajectories

Fig. 4(d) Ten particles (diameter DP*) at the inlet Fig. 4(e) Partial fractional efficiency Dh(DP*)

い粒径DP*の粒子(Fig. 4(d))の軌道を示す(粒子の初期速度は,Oでのポアズイユ流 の速度と仮定).粒子12910細粉産物3478は粗粉産物,56粗粉産物 (HR1HR2の円柱壁面に付着したものは粗粉産物とみなす) として捕集されている.Fig. 4(e)は,種々の粒径DP*に対して得られた軌道から求めた各産物の部分分級効率Dh(DP*)(粒径DP*での原料粉体に対して捕集される割合,質量基準)を示す.中間粉産物DhMには予想通り微細粒子が混入しており(小さい粒径DP*DhMが零になっていない),分級製品とはならないが,粗粉産物DhCにもまだ微細粒子が混入しており改善の余地がある.このように円板・円柱形状のFOF-MCMでは改善の余地があるので,まず円板面形状を球面形状に変え,その近傍に生じるエクマン層での分級作用をも有効に利用する方法について,流れと粒子運動の数値シミュレーションを行って考察する.

 

   

F Eの考察結果に基づいて,円柱・球形状のFOF-MCM分級装置を設計・製作する.

 

   

G 製作した装置において,可視化観察及びLDV測定を行って,安定な定常・軸対称の準剛体回転流が生成される流れ条件を検証する.

   

   

H 分級実験を行って性能を評価し,E数値解析結果と比較検討しながら,高い精度が得られる分級条件を明らかにする.もしも問題があれば装置形状を修正し,さらに理論・数値解析及び分級実験を行って考察する.

 

   

I E〜Hの結果を総括して,FOF-MCM型分級機設計法を確立する.

 

   

   

3.連続式多段分級による多産物化

さらなる高精度化のために連続式二段分級装置壁形状の最適化について考察するとともに,連続式多段分級装置の設計法の基礎資料を得る.
  J 円柱・球形状において,各段のコアの円柱部分の半径に対する軸方向長さの比(アスペクト比)並びに一段目と二段目のコアの半径比を最適化する方法について,装置形状を改造し分級実験を行って考察する.

   

K Jの実験結果を理論的に検証するため,特異摂動法によって得られる流れの理論解粒子運動方程式(BBO式)に代入して粒子軌道の理論解を導出するとともに,NS式およびBBO式の数値解析を行って,最適なアスペクト比,半径比を明らかにする.

 

L K流れ及び粒子運動の理論解をもとに円柱・球形状以外の最適な形状について考察し,さらに数値シミュレーションを行ってそれを検証しながら,

最適形状を見出す.

M @〜D,J〜Mの結果を総括し,最適な連続式二段分級装置の設計法を完成させ,多段分級装置の設計法の基礎資料を得る.

 

   

4.原料粉体供給と分級産物の捕集の新たな方法による高処理量化・多産物化

 

   

分級場入口での給水をなくし原料粉体懸濁液のみを供給する方式について,新たな別の供給・捕集法を採用し,その有効性について考察する.さらに,この方式での多産物化について考察する.

Fig. 5 FOF-WCW type (a) Schematic Fig.5(b) Partial fractional efficiency Dh(DP*)

  

Fig. 6 FOF-CWC type Fig. 7 FOF-MCWCM type

 

   

N 予備的に行った別の新たな方法の数値解析結果は次のとおりである.Fig. 5(a)FOF-WCW型分級機は,粗粉産物への微細粒子の混入阻止を徹底するため,外側のW1W2から給水を行って半径方向内向き流れを生成させ,微細粒子を中間粉産物F1F2へ向かわせるものである.Fig. 5(b)は,5種類の流

                  

量条件に対する粗粉産物の部分分級効率DhCを示す.流量をより適切に設定すれば(図の一番右側の結果),粗粉産物への微細粒子の混入が阻止され(小さい粒径DP*DhCが零),高い精度(横軸に垂直となる完全分級の場合に近いほど高精度)が得られる.Fig. 6FOF-CWC型分級機は,Fig. 5(a)FOF-WCW型分級機の給水口W粗粉産物捕集部Cの位置を入れかえたもので,Wから給水を行って半径方向内向き流れを生成させて微細粒子を細粉産物F1F2へ向かわせるねらいは,上記のFOF-WCW型分級機と同じである.この場合も高い精度を得られる.        

そこで,上述のFOF-WCWFOF-CWC型分級機の円板面形状を球面形状等に変えて,その近傍に生じるエク 

マン層での分級作用をも有効に利用してさらに高精度化する方法について,流れと粒子運動の数値シミュレンを行って考察する.                               

   

O Nの考察結果に基づいて,FOF-WCWFOF-CWC型分級機を設計・製作する.

   

P 製作した装置において可視化観察及びLDV測定を行って安定な定常・軸対称の準剛体回転流が生成される流れ条件を検証した後,分級実験を行って性能を評価し,O数値解析結果と比較検討しながら,高精度が得られる.

分級条件を明らかにする.もしも問題があれば,装置形状を修正してさらに理論・数値解析分級実験を行って,高精度化をねらう.

 

Q 予備的な数値シミュレーションにより,Fig. 6FOF-CWCの粗粉産物Cの捕集口を二つ(中間粉産物M粗粉産物C)に分けたFig. 6FOF-MCWCMにおいて,三産物分級が可能であることが分かったので,この方式についても,装置を製作して,実験的並びに理論・数値的に考察する.

 

   

R N〜Qの結果を総括して,FOF-WCWFOF-CWC並びにFOF-MCWCM型分級機設計法を確立する.

   

なお,準剛体回転流は線形理論解が得られる流れであるので,混相流で問題となる粒子の回転運動サフマン揚力回転揚力などの理論的考察・検証を行う.

 

問い合わせ先 (Contact address)

 

Do not hesitate to contact us if you take interests in our study.

 

----------------------------------------------------------------------

  Yoichi Tsuchida

 Associate Professor

 Engineering Physics, Electronics and Mechanics

 Graduate School of Engineering

 Nagoya Institute of Technology

 Gokiso-cho, Showa-ku, Nagoya 466-8555, Japan

 TEL +81-52-735-5341

 FAX +81-52-735-5503

 E-MAIL tsuchida.yoichi@nitech.ac.jp

        tsuchida@nitech.ac.jp

 

        tsuchida@cfd.mech.nitech.ac.jp

        (also available for the time being)

 ---------------------------------------------------------------------

  土田陽一

 名古屋工業大学大学院(おもひ領域)助教授

   工学研究科 機能工学専攻

   工学部 機械工学教育類 担当

 466-8555 名古屋市昭和区御器所町(ごきそちょう)

            名古屋工業大学 おもひ領域

   TEL 052-735-5341 (ダイアルイン)

   FAX 052-735-5503 (おもひ領域事務室)

   TEL 052-735-5521 (おもひ領域事務室)

 E-MAIL tsuchida.yoichi@nitech.ac.jp

        tsuchida@nitech.ac.jp

 

     tsuchida@cfd.mech.nitech.ac.jp

        (当分の間,このアドレスも有効です)

--------------------------------------------------------------------------